【1月24日 AFP】ドイツの警察は、2015年12月31日に同国西部の都市ケルン(Cologne)で大規模に発生した性犯罪や強盗事件と同様の事件が、ドイツの全16州のうち12州で発生していたと発表した。現地メディアが23日伝えた。

 昨年の大みそかの夜、新年を迎えようと大勢の人々でにぎわっていたケルン中央駅付近で、数百人の女性が主に北アフリカ系の容疑者から痴漢や強盗などの被害を受けた。

 独紙・南ドイツ新聞(Sueddeutsche Zeitung)などのドイツの報道機関がドイツ連邦刑事庁(BKA)の報告を引用して伝えたところによると、同様の事件は同国16州のうち12州で発生していたという。

 南ドイツ新聞は同紙のウェブサイトに掲載した記事で、「一部で強盗事件も伴った性暴力は、われわれがこれまでに考えていたよりも大規模である」と述べ、各州が異なる度合いで事件の影響を受けたと付け加えた。

 最大の影響を受けたのはケルンがあるノルトライン・ウェストファーレン(North Rhine-Westphalia)州で、約1000件の被害届が提出され、次いでハンブルク(Hamburg)州の約200件が続いた。

他州ではそれより少なく、ヘッセン(Hesse)州31件、バイエルン(Bavaria)州27件、バーデン・ビュルテンベルク(Baden-Wuerttemberg)州25件、ブレーメン(Bremen)州11件、ベルリン(Berlin)州6件となっている。

 またニーダーザクセン(Lower Saxony)州、ブランデンブルク(Brandenburg)州、ザクセン(Saxony)州、ラインラント・プファルツ(Rhineland-Palatinate)州、ザールラント(Saarland)州でも各1件が報告された。

 ケルンで発生した事件のように、ほぼ全件で被害者は女性だった。目撃者によると、容疑者は多くのケースで17~30歳の若い外国人青年だったという。

 警察がケルンの事件は北アフリカとアラブ諸国出身者によるものと発表したことで、同国に昨年100万人以上の難民申請者を招き寄せたアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相の難民受け入れ政策をめぐり大きな論争が起きている。(c)AFP