【1月20日 AFP】アフガニスタンで、激高した夫に鼻をそぎ落とされた女性の写真がソーシャルメディア上などで話題を呼び、各地で怒りの声を沸き起こしている。女性人権活動家らは「野蛮な行為」に対する処罰を求めている。

 北部ファリヤブ(Faryab)州ゴルマック(Ghormach)に住むレザ・グル(Reza Gul)さん(20)は17日、無職の夫のモハマド・ハーン(Mohammad Khan)容疑者にポケットナイフで襲われ、病院に運ばれた。ハーン容疑者は逃走中とみられている。

 顔に白い包帯を当てられたグルさんは病院のベッドでAFPの取材に応じ、「夫に手を縛られ、鼻をそぎ落とされました」と弱々しい声で語った。そばで1歳の子どもが泣き叫ぶ中、「夫からは幾度となく虐待を受けていました」とも明かした。

 この事件は、アフガンにまん延する女性への暴力の問題を浮き彫りにしている。同国では、米軍主導の連合軍による2001年の進攻でイスラム原理主義のタリバン(Taliban)政権が崩壊して以降、改革が進められてきたにもかかわらず、こうした事件は後を絶たない。

 首都カブール(Kabul)を拠点とする女性人権活動家、アレマ(Alema)さんはAFPの取材に対して、「このような野蛮な行為は強く非難されるべきだ。政府の司法制度で女性への襲撃が厳しく処罰されるようになっていたら、こうした事件は起きないはずだ」と批判した。

 5年前に10代で結婚したグルさんは、夫のハーン容疑者から日常的に暴力を受けるようになり、タリバンが今も支配する地域にある実家に一度、逃げ帰ったという。

 実家にいるときはタリバンが仲裁に入り、ハーン容疑者にグルさんには二度と手を上げないとイスラム教の聖典コーラン(Koran)にかけて誓わせたが、グルさんはハーン容疑者の元に戻った直後に鼻をそぎ落とされた。(c)AFP/Hasan Sirdash