【1月8日 AFP】大西洋(Atlantic)の海底で昨年11月、カナダの建国と同時期の約120年前に醸造されたビールが見つかった。味見をした研究者は7日、ビールは今も飲めるものの、味は非常に苦く、あまりおいしくないと語った。

 ビールはアレグザンダー・キース(Alexander Keith)醸造所が生産したもので、ダイバーが引き揚げた際、瓶の中身はほぼ満杯だった。

 調査を行った研究チームによると、このビールは、1867年のカナダ連邦の誕生直後の1872年から1890年の間に、カナダ東部ハリファクス(Halifax)で醸造された。

 ハリファクスのダルハウジー大学(Dalhousie University)の同僚らと調査を行った発酵の専門家アンドリュー・マッキントッシュ(Andrew MacIntosh)氏によると、ビールの生産時期は、瓶の構造と口金の刻印から特定された。

 AFPの取材に応じたマッキントッシュ氏によると、中の液体はpH値が低く、アルコールを含んではいるが毒性はないという。ビールを味見した同氏は「おいしくはない。ビールはうまく熟成しない。特に海の底では」と語った。

 同氏によると、ビールはかすかな硫黄の香りと、焦げた香りもした。「舌の上では、窒素からくるとみられる妙なハッカのような味がする。それに若干の塩味と、驚くほどの苦みがある」という。(c)AFP