【1月5日 AFP】仏総合商社ルイドレフュス・コモディティーズ(Louis Dreyfus Commodities)の会長で仏サッカーチームのオリンピック・マルセイユ(Olympique de Marseille)のオーナーでもあるスイス人富豪実業家、マルガリータ・ルイドレフュス(Margarita Louis-Dreyfus)氏(53)が、双子を妊娠した。同社が4日、発表した。

 同会長は4月上旬に予定されている出産まで職務を続ける意向で、出産後は「短い休暇」を取った後、4月下旬に勤務に復帰する予定という。

 会長は近年、現在のパートナーである元スイス中央銀行頭取で世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)副会長のフィリップ・ヒルデブラント(Philipp Hildebrand)氏(52)と共に過ごす場面を、タブロイド各紙によって捉えられていた。

 旧ソビエト連邦で1962年に生まれたルイドレフュス会長は、1980年代にスイス人と結婚しスイス国籍を取得。この結婚が破局した後もスイスにとどまり、1992年に16歳年上のフランス人実業家ロベール・ルイドレフュス(Robert Louis-Dreyfus)氏と結婚。双子を含む3人の子どもをもうけた。

 ロベール・ルイドレフュス氏は、独スポーツ用品大手アディダス(Adidas)で最高経営責任者(CEO)を務めた後、家業であるルイドレフュスを引き継いだ。

 ルイドレフュスは金属や石油、エネルギー、日用品、国際配送、テレコミュニケーション、不動産開発などを手掛ける総合商社。主要分野である農作物の取引では、全世界取引高の9%を占める。

 ロベール・ルイドレフュス氏は2006年に重病にかかり、3年後に白血病で死亡。同氏が後継に指名したジャック・ベラ(Jacques Veyrat)氏との間で2年にわたり繰り広げられた権力闘争に敗れたマルガリータ・ルイドレフュス氏は、非常勤会長として同社に残った。

 米経済誌「フォーブス(Forbes)」の推定によると、マルガリータ・ルイドレフュス氏の2015年現在の資産は約71億ドル(約8500億円)。同氏は、ロシア出身であることから、スイスメディアからは「ツァーリナ(帝政ロシアの皇后)」と呼ばれている。

 スイス日曜紙ゾンタークスブリック(SonntagsBlick)によると、昨年スイスで出産した50歳以上の女性はわずか40人で、うちマルガリータ氏と同じ53歳は9人だった。(c)AFP/Marie-Noëlle BLESSIG