【12月30日 AFP】米西部カリフォルニア(California)州で2011年から続いている記録的な干ばつにより、5800万本もの巨木が脅威にさらされているとする報告書が28日、米科学アカデミー紀要(PNAS)に発表された。水不足に加え、高温やキクイムシと呼ばれる壊滅的な被害を与える昆虫も森林破壊の危険性を高めているという。

 カーネギー研究所(Carnegie Institution for Science)の生態学者、グレッグ・アスナー(Greg Asner)氏は同報告書で、「カリフォルニア州は、水の供給や炭素の蓄積だけでなく、木材生産や観光、余暇の面でも森林に依存している。つまり森林は、生態学的にも、経済や文化的見地からも極めて重要」とした上で、「干ばつにより、森林は深刻な危機に直面している。動物の生息地や生物多様性に影響を与えかねない、生態系全体に長期的な変化をもたらす可能性がある状況に陥っている」と警鐘を鳴らした。

 研究員らによると、有名なセコイアの木をはじめ、最大8億8800万本の大木が生育している約1060万ヘクタールの森林が、2011年から今年にかけて深刻な水不足に見舞われており、うち最大5800万本が、森林の健康を長期的かつ甚大に脅かすレベルの水不足にあえいでいるという。(c)AFP