【12月27日 AFP】チェコのミロシュ・ゼマン(Milos Zeman)大統領は26日、中東シリアやイラクから大勢の難民が欧州に押し寄せている現在の状況は「組織的な侵略」であるとの認識を示し、若い男性は国を逃れる代わりに「武器を取って」イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」と戦うべきだと付け加えた。

 ゼマン大統領はクリスマスに合わせて発表した国民向けのメッセージで、「われわれが直面しているのは難民の自然な流入ではなく、組織的な侵略だと深く確信している」と述べた。

 その上で、高齢者や病人、子どもの難民には同情できるとする一方、若い男性の難民は国に戻ってISと戦うべきであり、同情しかねるとの個人的見解を表明。「不法移民の大多数は健康で若い独身男性だ。こうした男性たちがなぜ国の自由のために武器を取ってISと戦わないのか、疑問に思う」と語った。

 また、戦争で荒廃した国々からの避難は、ISが勢力を強めるのをかえって助けることになると付け加えた。

 第2次世界大戦(World War II)後としては欧州で最大とされる難民危機について、ゼマン大統領が物議を醸す姿勢を表明したのはこれが初めてではない。先月には首都プラハ(Prague)市内で行われた反イスラム集会に、極右政治家らや議会会派とともに出席した。(c)AFP