【12月19日 AFP】2012年にインドの首都ニューデリー(New Delhi)で、走行していたバスの車内で、23歳の女子大学生が集団による性的暴行を受けて死亡した事件から3年が経過したが、デリー高裁は18日、暴行に加わった元少年(当時17歳)が今週末、少年法の規定に基づき釈放されると発表した。

 女子大学生ジョティ・シン(Jyoti Singh)さんが被害者となった事件は世界中で怒りを巻き起こし、インドでの女性への暴力に対する抗議行動の引き金となった。

 元少年は20日に釈放される見込み。高裁によれば、少年刑事施設の最大収容期間は3年で、元少年の釈放を止めることはできないという。

 事件から3年目の16日に被害者となった娘の氏名を初めて公表した母親のアシャ・シン(Asha Singh)さんは高裁の発表を聞いた後、報道陣に対し「確信していた正義が貫かれなかった。犯罪者が無罪放免になろうとしている」と涙ながらに語った。女性の権利団体などは、元少年が更生し社会復帰できる状態になっているかどうか定かでないとして釈放に反対している。

 この事件の後、インド政府は強姦罪などに対する刑罰を厳罰化した。しかし、重罪を犯した未成年者を成人として裁くことを可能にする主要法案が、議事進行のこう着によって阻止されているとして活動家らは批判してきた。

 元少年以外の被告の男4人は13年に死刑判決を言い渡され、最高裁へ上告している。(c)AFP