【12月18日 AFP】今年のハロウィーンには頭蓋骨のような姿の「死んだ彗星(すいせい)」が地球に接近したが、今度はクリスマスイブに、大型の小惑星が地球の近くを通過するという。天文学者らが17日、発表した。

 北アイルランド(Northern Ireland)にあるアーマー天文台(Armagh Observatory)のマーク・ベイリー(Mark Bailey)台長はAFPの取材に、全長約2キロのこの大型小惑星は、地球と月との間の距離の約28倍の距離で地球のそばを通過する見通しだと語った。

 ベイリー氏は「これは、いわゆる地球接近天体のような類いのものではない」と指摘、地震や火山噴火を引き起こすほど地球に接近する恐れがあるとしたマスコミ報道を否定した。

「地球からこれほど離れた距離では、これくらいの大きさの天体に毎年数回は遭遇すると予想される。恐らく2か月に1個くらいは、地球にこの程度近づく同等サイズの天体があると思われる」

■クリスマスは心穏やかに

「163899」または「2003 SD220」と呼ばれるこの小惑星は、地球から約1100万キロの距離を通過する見通し。今年はすでに数個の天体が、これよりはるかに近い距離で地球を通過している。

 天文学者らが本気で懸念するのは、30万キロ以上離れた月より近く地球に接近する天体だ。

「これくらいの大きさの小惑星には関心が集まる。直径約1キロから500メートルの大きさの小惑星は、地球上のどこに衝突しても、地球全体の環境に破壊的な影響を及ぼすからだ」

 仏パリ天文台(Paris Observatory)のマリアアントニエッタ・バルーチ(Maria-Antonietta Barucci)氏は、2003 SD220が「危険天体リストには載っていない」と断言。「地球では皆、心穏やかにリラックスしてクリスマスを楽しむことができる」とバルーチ氏は話した。(c)AFP