【12月16日 AFP】タイ国王の飼い犬を侮辱したとして、同国の男性(27)が不敬罪で実刑判決を言い渡される恐れがあることが分かった。男性の弁護士が15日、明かした。これまでも厳しく適用されてきた同国の不敬罪は、近年ますます厳格化の一途をたどっている。

 この弁護士はAFPに対し、男性の容疑は、国王と飼い犬についての「風刺」をフェイスブック(Facebook)に投稿したというもので、「今月6日に男性が、国王の飼い犬を風刺したメッセージと写真3枚をフェイスブックに投稿した」と説明した。

 この男性はまた、タイ国王の加工写真に「いいね」を押し、その写真を共有したとして、不敬罪や扇動罪、コンピューター犯罪などの容疑で逮捕されていた。さらに、軍事政権の汚職疑惑をめぐる解説画像を共有したとの容疑もかけられている。

 タイは世界で最も厳格に不敬罪を適用する国の一つで、プミポン・アドゥンヤデート(Bhumibol Adulyadej)国王(88)と王妃、王位継承者、摂政への侮辱について、最高15年の禁錮刑を定めている。自動車部品工場に勤務するこの男性は、有罪の場合、最高で禁錮37年が言い渡される可能性があるという。

 タイでは近年、不敬罪での有罪判決件数が記録的な数に上っており、有罪を言い渡された人の多くは体制批判者でもある。(c)AFP