【12月9日 AFP】米ホワイトハウス(White House)は8日、2016年大統領選挙で共和党の指名獲得争いの首位を走る不動産王ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏がイスラム教徒の入国を禁止すべきだと提案したことを受け、同氏に大統領に就任する資格はないとして、共和党陣営に対しトランプ氏を糾弾するよう呼び掛けた。

 ジョシュ・アーネスト(Josh Earnest)大統領報道官は、トランプ氏を「偽物の髪」をまとった「祭りの客引き」で、その選挙運動は「歴史のごみため」レベルだとこき下ろし、同氏の提案は憲法違反だと指摘。その発言を「侮辱的」「有害」などさまざまな言葉で形容しながら、「ドナルド・トランプ氏はきのう(7日)の発言で、大統領への就任資格を失った」と述べた。

 このようにホワイトハウスが異例なまでの痛烈批判を展開するのは、トランプ氏の発言がイスラム教徒の米国人とイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」との戦いに与え得る影響への懸念の表れであることと同時に、大統領選を来年に控え、政治上の好機として利用したい思惑もうかがえる。

 アーネスト報道官は即座に、トランプ氏の発言を批判しながらも大統領候補となれば支持すると表明している共和党の重鎮らに対する批判も展開した。「トランプ氏の発言は資格剥奪に相当する。そして、共和党支持者らを恐れてそれを認められない共和党員も、やはり大統領になる資格はない」と語った。(c)AFP