【12月1日 AFP】米ミズーリ(Missouri)州セントルイス(St. Louis)で11月29日、鍵が掛かっていなかった車から物を盗もうとした13歳の黒人少年が撃たれ、死亡する事件が起きた。しかし検察は、少年に発砲した黒人男性を不起訴処分とした。

 死亡した少年はマルティネス・スミスペイン(Martinez Smith-Payne)君(13)。先月29日の午後1時前に通報を受けた警察が裏通りでスミスペイン君を発見したときには流血していて意識はなく、その後、病院で死亡した。

 現地警察が発表した声明によれば「捜査の結果、被害者(スミスペイン君)は、他の2人の子どもと一緒に、鍵が掛かっていなかった駐車車両から盗みをはたらこうとしたところで男性と遭遇し、男性が子どもたちに発砲した」という。

 発砲したのは60代の黒人男性で、直ちに身柄を拘束された。その後、身柄は警察から検察へ送致されたものの、検察が不起訴とし男性は釈放された。男性が発砲する前に、少年たちから脅されていたのかどうかは定かでない。

 検察当局は少年の死を「悲劇だ」と表現しながらも「住宅所有者の自衛権に関するミズーリ州の法律は複雑だ」と述べている。米国の他の多くの州と同様、ミズーリ州でもいわゆる「城の原則」を採用しており、侵入者などに脅かされたと感じた場合は「退避義務」を負うことなく殺傷力の高い武器の使用が許されている。(c)AFP