【11月25日 AFP】フランス・パリ(Paris)で13日に起きた同時テロ事件の首謀者とされるアブデルハミド・アバウド(Abdelhamid Abaaoud)容疑者とその共犯者が、事件の翌週にパリ近郊のビジネス地区ラ・デファンス(La Defense)で自爆攻撃を計画していたことが分かった。仏検察当局が24日、明らかにした。

 ベルギー国籍のアバウド容疑者は、事件の5日後にパリ北郊サンドニ(Saint Denis)のアパートで発生した警察との激しい銃撃戦で、いとこの女のアスナ・アイトブラセン(Hasna Aitboulahcen)容疑者ともう1人の男と共に殺害されている。

 パリ検察のフランソワ・モラン(Francois Molins)検事は、「アバウド容疑者と、その隣で見つかった男は、ラ・デファンス地区で18日もしくは19日に自爆攻撃を計画していた」と語った。同地区には、フランスの大手企業の多くが本社を置いている。

 この男の身元は確認されていないが、13日にカフェのテラスやレストランに向かって銃を乱射し数十人を殺害したグループの中で目撃されていた3人目の容疑者とみられている。

 アイトブラセン容疑者は、サンドニで隠れ家を用意する役割を果たしていたとされ、同検事は「アバウド容疑者が13日の襲撃に関与していたことを絶対に知っていた」との見解を示している。アイトブラセン容疑者は当初、自爆したとみられていたが、その後の調べから、身元不明の男の自爆に巻き込まれ窒息したとみられることが分かった。

 モラン検事はまた、23日にパリ南郊のモンルージュ(Montrouge)でごみ袋の中から発見された自爆ベストについて、襲撃事件の自爆犯らが使った「他のものと完全に同じ構造」だったと語った。

 さらに、電話データの分析から、アバウド容疑者が事件当夜、銃撃現場周辺に戻っていたことが分かったという。現場の一つとなったコンサートホール「バタクラン(Bataclan)」では同時刻、警察の精鋭部隊「BRI(捜査介入部隊)」による突入作戦が続けられていた。

 また、同容疑者が、国立競技場「スタッド・ド・フランス(Stade de France)」の外で自爆したビラル・ハドフィ(Bilal Hadfi)容疑者とも電話で連絡を取っていたことも判明したという。(c)AFP/Damon WAKE, Guy JACKSON