【11月3日 AFP】米国のアフガニスタン復興担当特別監査官は2日、米軍がアフガニスタン北部で本来ならば50万ドル(約6000万円)で済むはずの天然ガス基地の建設に、4300万ドル(約52億円)を国庫から費やしていたことを明らかにした。

 莫大な支出によって浮き彫りにされたのは、米国の主導による2001年のアフガニスタン侵攻後に、同国に対して米国が行ってきた支援にまとわりつく問題だ。

 米アフガニスタン復興担当特別監査官(SIGAR)であるジョン・ソプコ(John Sopko)氏は、アシュトン・カーター(Ashton Carter)国防長官に対し、同プロジェクトは「米国の納税者にとって法外な負担」だと厳しく批判する書簡を送った。SIGAR事務所の調査によれば、パキスタンの圧縮天然ガス(CNG)基地の場合は、建設費用は50万ドル以下だという。

 さらにソプコ特別監査官は、米軍の「ビジネス安定化タスクフォース(TFBSO)」はガス基地建設前の事業性評価(FS)を怠っていると指摘。「もしも、TFBSOがこのプロジェクトの事業性評価を行っていたら、アフガニスタンにはCNG自動車の市場成立を支えるために必要な天然ガスの輸送および現地流通のインフラが欠如していることを把握できていたかもしれない」と述べた。(c)AFP