【11月3日 AFP】ローマ法王庁(バチカン)は2日、機密文書を盗んで漏えいした疑いで、スペイン人高位聖職者とソーシャルメディア専門家の計2人を逮捕したと発表した。バチカンでは同様のスキャンダルが3年前にも発生している。

 逮捕されたのは、フランシスコ(Francis)法王がバチカン内の経済改革に関する諮問機関として設置した特別委員会の委員を務めていた聖職者のルシオ・アンヘル・バリェホ・バルダ(Lucio Angel Vallejo Balda)容疑者(54)と、同じく同委員の委員を務めていたソーシャルメディア専門家のフランチェスカ・シャウキ(Francesca Chaouqui)容疑者(33)。

 2人の逮捕は、数か月にわたり続く「機密文書および情報の不正使用と漏えい」に関する捜査の一環。ただしシャウキ容疑者は、捜査への協力に同意しており逃亡の危険性がないとの理由で2日に釈放された。

 バチカンはまた、ハッキングで流出したローマ法王庁の財政に関する情報に基づいて執筆されたとされる書籍2冊が今週発売されることに反発し、これを非難する声明を発表した。

 バチカンでは2012年、当時のローマ法王ベネディクト16世(Benedict XVI)の補佐官が起こした文書流出事件により、法王の側近らの熾烈な内部抗争や、組織内で行われている重大な不正の疑いが明らかになっていた。この補佐官に対しては禁錮18年の刑が言い渡されたが、後にベネディクト16世によって恩赦されている。(c)AFP/Ella IDE