【10月15日 AFP】ウクライナ東部の戦闘が鎮静化するなか、親ロシア派反政府勢力の戦闘員らは、今後の選択肢について考えを巡らせている──戦闘の再開を待つか、市民としての生活に戻るか、あるいは内戦下のシリアに向かうのか。

「戦闘がなくなってしまい、暇をもてあましている者もいる」と、トゥロク(「トルコ人」の意)と呼ばれる戦闘員はAFPに語った。「知り合いからは、もっと暖かいシリアへ行けと促された」

 欧米諸国とウクライナ政府は、親露派武装勢力がロシアの支援を受けていると主張している。政府軍と親露派の18か月にわたる戦いは、9月上旬に新たな停戦合意が交わされたことにより、突然の休止を迎えた。

 その後、ロシアは長く同盟関係にあるシリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権の要請を受け、同国領内で空爆作戦を開始。ロシア政府は、この作戦の標的はイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」だと説明しているが、欧米諸国は、追い詰められたアサド政権を助ける狙いがあると主張している。

 そして今、ウクライナの戦闘員の一部は、シリアの前線で戦うことを検討していると話している。こうした戦闘員の多くはロシア出身で、同国政府がいうところの「義勇兵」たちだ。トゥロクさんによれば、多くの戦闘員がロシアの軍事介入を支援するために、ウクライナ東部からシリアへ向かったという。