【10月14日 AFP】インド・ムンバイ(Mumbai)で、死亡が確認されたホームレスの男性が、解剖台の上で目を覚まし、解剖を始めようとしていた病院の職員らを仰天させる出来事があった。地元当局が13日、明らかにした。

 警察によると、氏名不詳のこの男性は11日午前、意識不明の状態で発見された。さまざまな感染症を患っており、病院に搬送された。

 AFPの取材に応じた地元警察幹部によれば、公立ロクマンヤ・ティラク総合病院(Lokmanya Tilak Municipal General Hospital)の医師が男性の死亡を確認し、「遺体」は解剖に回された。だが、「解剖を始めようとすると男性が目を覚ましたため、大混乱となった。その後、医師たちは私の部下から死亡証明書を取り上げ、破り捨てた」という。

 一方の病院側は、ミスが起きたのは警察のせいだと述べている。同院の院長によると、警察はナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相の到着に備えた警戒措置に追われており、同病院の医師らは、病院の外の路上で男性を診断するよう頼まれたという。

「警察は一刻も早く、首相の警備に戻りたがっていた。屋内での診療が許されていたら、うちの職員もちゃんと診断できていただろう」と院長は語った。

 院長によると、男性は現在、深刻な栄養失調で治療を受けている。アルコールと薬物の依存症の疑いもあるという。(c)AFP