【10月10日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」が9日、ロシアが過去24時間に空爆でISの戦闘員数百人を殺害したと発表したにもかかわらず、シリア第2の都市アレッポ(Aleppo)郊外に進攻した。

 ロシアによるシリアでの空爆は10日目に入った一方で、米国はトラブル続きだったシリア反体制派の軍事訓練を停止することを発表した。

 ロシア連邦軍参謀本部(Russian General Staff)のイーゴリ・マクシェフ(Igor Makushev)中将は、「(ロシア軍の)戦闘機が、テロリストの60の標的を空爆した」と述べ、通信を傍受したところによると、ISの主要拠点されるシリア・ラッカ(Raqa)での空爆により同組織の司令官2人と戦闘員約200人が死亡したと発表した。

 また、アレッポでの空爆で約100人の戦闘員が死亡し、他にもラタキア(Latakia)、ハマ(Hama)、イドリブ(Idlib)の訓練キャンプを空爆したという。

 欧米諸国政府は、ロシアによる空爆の大半はシリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)を守るために、ISではない反体制派グループを標的としたものと主張している。

 しかし、在英の監視団体「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、ロシア軍及び米軍主導の空爆にもかかわらず、ISはシリア北部のアレッポにこれまでで最も近い位置に進攻したという。

 同団体のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表は、ISがアレッポ周辺地域や軍事基地から反体制派の戦闘員らを後退させたり追放したりした際に「双方に数十人の死者が出た」と述べた。ISはアレッポ北端から10キロの地点、シリアのアサド政権を支援する部隊がいるシーク・ナジャール(Sheikh Najjar)工業地帯からは3キロの地点に進攻した。(c)AFP/Rana Moussaoui