【10月8日 AFP】4800万年前の妊娠した雌のウマの化石の分析を行っていた研究チームは7日、この化石が、これまでに知られている同類のものとしては最古のものであることを明らかにした。この化石には、非常に保存状態の良い子宮組織も残っていた。

 化石は、2000年にドイツで発見されたもので、最近、科学分析が終了し、論文がオープンアクセスの米科学誌「プロスワン(PLoS ONE)」に掲載された。

 学名でEurohippus messelensisと呼ばれるこのウマは、現代のウマの早期の近縁種で、小型犬ほどの大きさだったと考えられている。

 胎児の大きさは、体長12.5センチほどで、頭蓋骨がつぶれている以外に損傷はほぼなかった。研究チームは、母ウマが死んだのは出産直前と考えているが、死因は妊娠と関係ないとみている。

 研究チームは、骨格部分の他にも、胎盤や子宮広靱帯などの柔らかい組織が保存されていることを確認しており、有胎盤ほ乳類の子宮の化石としては、最古となる可能性があると論文は指摘している。

 今回の研究結果は、ウマの生殖器官が、当時からほとんど変化していないことを示唆している。(c)AFP