【10月7日 AFP】バングラデシュで農業関係のプロジェクトに携わっていた日本人男性が射殺された事件で、現地裁判所は6日、事件直後に身柄を拘束されたバングラデシュ人の野党活動家と実業家の2人について、事情聴取のための10日間の勾留延長を認めた。

 事件では先週3日、バングラデシュ北部の街ランプル(Rangpur)カウニア(Kaunia)で、星邦男(Kunio Hoshi)さん(66)が三輪自転車タクシー「リキシャ」に乗っていたところを、バイクに乗った3人組に銃撃され死亡した。担当捜査官によると、警察は現在勾留中の2人を事件発生の数時間後に拘束した。これまでのところ、2人は容疑者とはされていない。

 勾留されている人物のうち一人は野党・バングラデシュ民族主義党(Bangladesh Nationalist PartyBNP)の学生部門の元リーダーで現党員の人物だと、同党は発表している。

 バングラデシュのシェイク・ハシナ(Sheikh Hasina)首相は、BNPとその同盟勢力であるイスラム主義政党「イスラム協会(Jamaat-e-IslamiJI)」が外国人に対する攻撃を扇動していると非難しているが、両政党はこれを否定している。

 また警察や現地報道によると、勾留されている2人目の人物は、親族が星さんに農地を貸していたことで、星さんと親しくなった男性だという。

 事件では、イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」が犯行声明を出している。同国ではこの数日前にも援助機関に所属するイタリア人男性が殺害され、同じくISが犯行声明を出しているが、専門家らはこれら声明の信ぴょう性に懐疑的な見方を示している。(c)AFP