【9月29日 AFP】大規模な排ガス規制逃れの不正問題に揺れる独自動車大手フォルクスワーゲン(VolkswagenVW)の企業城下町といえる同国北部ボルフスブルク(Wolfsburg)市は、VWの業績悪化が波及することを想定し、財政支出と新規採用を直ちに凍結した。市の関係者らが明らかにした。

 クラウス・モアーズ(Klaus Mohrs)市長は28日夜に発表された声明で「たとえ、わが市に債務がなく、蓄えができていたとしても、法人税収の激減が見込まれる。具体的な数字を挙げるのは時期尚早だが、今年、法人税収が激減することは明らかだ」と述べた。ボルフスブルク市の今年度予算は、約4億3000万ユーロ(約580億円)。VWの年間売上高に応じて算出される法人税は、同市の重要な歳入源となっている。

 首都ベルリン(Berlin)から西へ約200キロの場所に位置するボルフスブルクの街は、1938年に同社の伝説的大衆車「ビートル(Beetle)」の工場第1号の建設と同時に誕生した。人口は約12万4000人。そのうちの半数以上が、VW関連の仕事に就いている。街のいたるところで自動車工場と、青と白の大きなVWのロゴが目につく。

 VWはまたサッカー・ブンデスリーガ1部のクラブチーム、VfLボルフスブルク(VfL Wolfsburg)をはじめ、ボルフスブルク市関連の数多くのスポーツ・文化活動、行事のスポンサーとなっている。 (c)AFP