【9月11日 AFP】安静時心拍数(RHR)が低い10代後半の少年は、成人後に暴力犯罪に関わるリスクが高まることを示唆する研究結果が9日、発表された。研究の成果は、特定の人々が犯罪行為に及ぶ前に阻止する方法の改善につながる可能性がある。

 専門家らによると、RHRの低さは、心理的覚醒水準の慢性的な低さや、嫌悪刺激やストレス刺激に対する反応の弱さの指標となるという。心理的覚醒水準の慢性的な低さは、刺激的な体験の要求につながる可能性があり、また嫌悪刺激やストレス刺激に対する反応の弱さは、向こう見ずな行動に駆り立てる要素となり得る。

「RHRの低さは、少年期と青年期における攻撃的・反社会的な振る舞いに関連があることに加えて、成人期における暴力的・非暴力的な反社会的行動のリスクを増大させることを、今回の結果は裏付けている」と、論文の執筆者らは結論付けている。

 研究結果は、米国医師会(American Medical AssociationAMA)の精神医学専門誌「JAMAサイキアトリー(JAMA Psychiatry)」に掲載された。

 スウェーデン・カロリンスカ研究所(Karolinska Institutet)とフィンランド・ヘルシンキ大学(University of Helsinki)のアンティ・ラトバラ(Antti Latvala)氏と研究チームは、1958年~1991年生まれのスウェーデン人男性71万264人を対象とした、最大35.7年間に及ぶ追跡調査のデータを調べた。RHRと血圧を測定した時の平均年齢は18歳だった。

 その結果、調査対象のうちの4万93人が追跡調査期間中に暴力犯罪で有罪判決を受けていることが分かった。

 詳細をみてみると、RHRが最も低かった(毎分60回以下)男性13万2595人は、RHRが最も高かった(毎分83回以上)男性13万9511人に比べて、暴力犯罪で有罪判決を受ける確率が39%高く、非暴力犯罪で有罪判決を受ける確率が25%高かった。(c)AFP