【9月10日 AFP】インドネシアの国立公園で、絶滅危惧種に指定されているジャワサイの子ども3頭が、ここ数か月の間に立て続けに撮影された。3頭が新たに確認されたことにより、世界で最も希少なサイの一種であるジャワサイの個体数は計60頭となった。種の未来にとっては明るいニュースだ。

 ジャワ(Java)島ウジュン・クロン国立公園(Ujung Kulon National Park)の園長は9日、AFPの取材に、同公園ではここ数か月間でジャワサイの雌の子ども1頭と雄の子ども2頭が確認されていることを明らかにした。3頭については、設置されたばかりの保護区で昨年生まれたものとみられるという。

 近年、サイの子どもが個別に確認されることは、ごくまれにあった。しかし、数か月の間に、3頭の個体が相次いで確認されることは、あまり人目に触れることのない動物では非常にまれなケースだ。

 ジャワ語の民話で「Abah Gede(偉大なる父)」と崇められているジャワサイだが、その個体数は、人間による生息地への侵入や密猟によって激減した。ジャワサイはかつて、東南アジア全域に数千頭生息していたとされている。

 ウジュン・クロン国立公園のサイの観察チームによると、同公園に生息するジャワサイの個体数は、2011年に35頭にまで減少したが、近年は徐々にではあるが増えてきている。それでも、2014年に確認されたサイの子どもは、1年を通じて1頭だけだったという。

 確認されたジャワサイの子どもは、追跡調査のため設置された複数のカメラで、それぞれの母親と一緒にいるところを撮影されている。同公園の園長によると、母子3組ともに健康そうだったという。

 子サイたちは、それぞれ4月、5月、6月に撮影され、この発見によって、ジャワサイの生息数は計60頭になった。ウジュン・クロン国立公園内に全頭が生息している。

 たるんだ皮膚が折り重なり、まるでよろいを着ているようにも見えるジャワサイ。国際自然保護連合(International Union for the Conservation of NatureIUCN)の保全状況評価では絶滅危惧種に指定され「深刻な危機」に直面しているとされている。(c)AFP/Dessy Sagita