【8月23日 AFP】巨大な小惑星が来月にも地球に激突し、米大陸の大部分が壊滅する――こうしたうわさがネット上で拡散していることから、米航空宇宙局(NASA)がこれを打ち消す声明を発表、そのような心配は全くないと強調した。

 複数のブログやB級ニュースサイトなどで最近、大型の小惑星が地球に向かって突進中で、9月中旬から下旬頃に米自治領プエルトリコ(Puerto Rico)付近に衝突するとの説が散見している。

 これに対しNASAのジェット推進研究所(Jet Propulsion LaboratoryJPL)は終末論的な予測を打ち消すべく、そうした主張は全く根拠がないとするコメントを前週に発表。JPLで地球近傍天体(Near Earth ObjectNEO)研究を担当するポール・チョーダス(Paul Chodas)氏は、「小惑星だろうと、その他の天体であろうと9月に地球に衝突するという説に科学的根拠は全くないし、そうした兆候もひとかけらもない」と話す。

 JPLの説明によれば、これまでに潜在的な危険性が指摘されている小惑星のいずれについても、100年以内に地球に衝突する可能性は0.01%未満だという。

 「うわさにあるように、9月に壊滅的な衝突を引き起こすほど大きな天体が存在するならば、現在までにNASAが何かしら観測しているはずだ」(チョーダス氏)

 さらにNASAは、2012年のマヤ暦に基づく人類滅亡説など過去にも同様の終末論が繰り返されてきたが、全てが科学的根拠を欠き、結局は誤りだったことが証明されていると指摘している。(c)AFP