【8月17日 AFP】米公民権運動の草分けの一人で全米黒人地位向上協会(National Association for the Advancement of Colored PeopleNAACP)の会長を務めたジュリアン・ボンド(Julian Bond)氏が15日夜、フロリダ(Florida)州フォート・ウォルトン・ビーチ(Fort Walton Beach)で死去した。75歳。

 ボンド氏が1971年から1979年まで会長を務めた人権団体「南部貧困法律センター(Southern Poverty Law CenterSPLC)」は声明で、「わが国は、正義を求める最も熱心で雄弁な代弁者を失った」と述べた。

「彼は、アフリカ系米国人だけでなく、あらゆる集団や、抑圧と差別を受けているまさにすべての人を擁護した」

 テネシー(Tennessee)州出身のボンド氏は、1960年代の公民権運動では最前線に立った。

 ボンド氏は学生非暴力調整委員会(Student Nonviolent Coordinating Committee)の創立メンバーの一人で、その後、学生運動から政治の世界へと導かれた。1965年にジョージア(Georgia)州議会下院議員に選出され、約20年議員を務めた。

 1998年にはNAACPの会長に就任し、その後11年間務め、またSPLCの名誉会長を死去まで務め続けた。

 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は声明で、ボンド氏を友人と呼べたのは「名誉」だったと述べ、「ジュリアン・ボンド氏はこの国を良い国へ変えるために力を尽くした。人々の記憶に残るのにこれをしのぐ価値のある功績はあるだろうか」と語った。(c)AFP