【8月5日 AFP】米国のジョン・ケリー(John Kerry)国務長官(71)は、5月に自転車事故で脚を骨折した後、ケネディ家に2代にわたって受け継がれてきた黒い上品な「ステッキ」を借りているという──マレーシアのクアラルンプール(Kuala Lumpur)で東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議に出席中のケリー氏が明かした。

 このステッキの最初の所有者は、第2次世界大戦(World War II)の初期に駐英米国大使だったジョゼフ・P・ケネディ(Joseph P. Kennedy)氏。次いで息子のジョン・F・ケネディ(John F. KennedyJFK)元米大統領が大統領就任前に使い、JFKの末弟のエドワード・ケネディ(Edward Kennedy)氏に受け継がれた。エドワード・ケネディ氏は1964年の航空機墜落事故で、がれきの中から救助されて以降、慢性的な腰痛に悩まされた。

「私が脚を骨折したことを知った(故エドワード氏夫人の)ビッキー・ケネディ(Victoria Kennedy)氏が、このステッキが役に立つだろうと考えてくれた」と、ケリー氏はクアラルンプールで記者団に語った。

 エドワード・ケネディ氏を政治における師と仰ぐケリー氏は、核開発計画をめぐるイランとの交渉の最中だった5月31日、フランス・アルプス(French Alps)で自転車を運転中に大腿(だいたい)骨を折った。本人が米紙ボストン・グローブ(Boston Globe)に後に語ったところによると、手術のため米ボストン(Boston)に戻ったケリー氏は、病室に機密電話回線を敷き、イランとの交渉を続けたという。(c)AFP