【7月24日 AFP】陸上短距離のウサイン・ボルト(Usain Bolt、ジャマイカ)は23日、来月開幕する第15回世界陸上北京大会(15th IAAF World Championships in Athletics Beijing)で、絶好調のジャスティン・ガトリン(Justin Gatlin、米国)と勝負する準備ができていると語った。

 故障から明けた短距離界のスターは、ダイヤモンドリーグ2015(IAAF Diamond League 2015)のロンドン大会(Sainsbury's Anniversary Games)の男子100メートルを翌日に控え、誓いを立てた。

 ボルトは、6月13日に米ニューヨーク(New York)で行われたアディダスグランプリ(adidas Grand Prix)で男子200メートルを制して以降、骨盤の問題で競技を離れていた。

 100メートルと200メートルの世界記録保持者は、ガトリンのチームメートであるタイソン・ゲイ(Tyson Gay)とは、過去の薬物違反について「問題」があったことを認めながらも、ドーピング違反により2度の出場停止処分を受けているガトリンについては、特に気にしていないと話した。

 今年に入って、100メートルと200メートルで最速タイムを出しているガトリンが、過去にドーピング違反を犯したことについて失望しているかと聞かれたボルトは、「わだかまりがあったのは、タイソンとだけだ」と答えた。

 28歳のボルトは、「その理由は、何度も対戦する中で、本当にタイソンを尊敬していたからだ。これまで競った選手の中でも最高の対戦相手の一人だった。競技に打ち込んで、頑張っていた」と続けた。

「あの事件(2013年にゲイの検体がアナボリック・ステロイド〈anabolic steroid〉に陽性反応を示し、1年間の出場停止になった)があったとき、本当にがっかりした。本当に傷ついたんだ」

 どうしてガトリンには同様の感情を抱かないのかと聞かれたボルトは、「僕がよく知らないときの話だからさ。正しいと言っているわけじゃない。タイソンとは本当に近くで戦っていたから、傷ついたというだけの話だ」と語っている。

 ガトリンは今年に入って、100メートルで9秒74をたたき出しているものの、ボルトは、4月にブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)で開催されたエキシビションの100メートルで、10秒12を記録するにとどまっている。

 それでもボルトは、北京(Beijing)でガトリンに世界陸上の100メートルと200メートルの王座を渡すつもりはないと豪語している。