【7月23日 AFP】トルコ・イスタンブール(Istanbul)で、トルコのクルド人武装組織「クルド労働者党(Kurdistan Workers' PartyPKK)」の関連組織が、イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」の戦闘員とされる男性を殺害した。トルコのアナトリア(Anatolia)通信など複数のメディアが23日、伝えた。

 トルコでは、20日に南部スルチ(Suruc)で32人が死亡する自爆攻撃が発生して以降、緊張が高まっている。トルコ政府は自爆攻撃をISの犯行としている。

 同国日刊紙ヒュリエト(Hurriyet)やアナトリア通信によると、男性の名前は「ムルセル・ギュル(Mursel Gul)」で、21日夜に暗殺され、PKKの青年組織とされている「青年愛国革命運動(Patriotic Revolutionary Youth MovementYDG-H)」が犯行声明を出した。

 YDG-Hは声明で、男性はトルコ国境に近いシリアの要衝の町アインアルアラブ(Ain al-Arab、クルド名:コバニ、Kobane)でISの戦闘員としてクルド人と戦闘中に負傷し、治療を受けるために7か月前にイスタンブールに来ていたと主張。この男性を3か月にわたって追跡し、イスタンブールでの攻撃を計画していたことが分かったと述べている。

 アナトリア通信によると、ギュルさんはクリーニングの営業のふりをして接近した犯人らに4発の銃弾を撃ち込まれた。また、対テロ警察当局が捜査を開始したが、これまでのところギュルさんとISの間の接点は見つかっていないという。(c)AFP