【7月22日 AFP】2016年米大統領選に共和党から立候補した不動産王ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は21日、サウスカロライナ(South Carolina)州で行った演説で、同党の対立候補らをあざける発言を連発した。トランプ氏はこれまでの選挙活動でも相次ぐ放言で話題を集め、共和党の16人の候補者の中で支持率トップに躍り出ている。

 演説でトランプ氏は、まずリンゼー・グラム(Lindsey Graham)上院議員を「取るに足りない人間」と切り捨てると、同議員が4~5年前に電話を掛けてきて選挙運動の資金として献金を依頼してきたことを暴露。「なんなんだこの男は。物乞いか?」と苦言を呈した後、グラム議員の携帯電話番号を読み上げ、電話するよう聴衆に呼び掛けた。

 次に、リック・ペリー(Rick Perry)前テキサス(Texas)州知事に矛先を向け、「支持率が実に低い。知的な人間だと見せかけるために眼鏡を掛けているが、無駄だ。世間は、あの眼鏡の奥を見通せる」とコメント。

 さらに、ジョージ・H・W・ブッシュ(George H.W. Bush)元大統領を父親に持ち、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)前大統領を兄に持つジェブ・ブッシュ(Jeb Bush)元フロリダ(Florida)州知事については、交渉下手だと述べた。

 トランプ氏は、先月16日に出馬を表明した際にも話題を呼んだが、その後、米国入りするメキシコ移民は麻薬の密売や強姦(ごうかん)などの犯罪の源になっているとの発言で物議を醸した。

 さらに18日には、米国で最も尊敬を集める政治家の一人、ジョン・マケイン(John McCain)上院議員(共和党)を批判し、さらに大きな波紋を呼んだ。マケイン議員は、ベトナム戦争に海軍パイロットとして派遣された際、戦闘機が撃墜され、5年間の捕虜生活を送り、拷問を受けた。軍での働きを認められて勲章も授与されているが、トランプ氏は「彼は戦争の英雄なんかじゃない。捕まったから戦争の英雄になった。私は捕まらなかった人間が好きなんだよ」と発言した。(c)AFP