【7月9日 AFP】トルコで反中デモの参加者が誤って韓国人観光客を襲撃した問題をめぐり、与党・公正発展党(Justice and Development PartyAKP)の連立相手と目されている野党の党首が、中国人も韓国人も「目が細い」から間違っても仕方がないととれる発言をし、批判を浴びている。

 トルコでは先週、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)でイスラム教徒のウイグル人が神聖月「ラマダン(Ramadan)」の礼拝や断食を行うのを制限しているとして、中国政府に抗議するデモが各地で実施された。しかし先週末、イスタンブール(Istanbul)旧市街でデモ中の民族主義グループが、中国人と間違えて韓国人観光客の一団を襲撃し、機動隊が介入する騒ぎになった。

 この一件について野党・民族主義者行動党(Nationalist Movement PartyMHP)のデブレト・バフチェリ(Devlet Bahceli)党首は、8日の日刊紙ヒュリエト(Hurriyet)に掲載されたインタビューで「(襲撃した)彼らは若者たちだ。こうした若者に間違った情報を与えて判断を誤らせる連中もいるし、彼らがそういう連中に従ってしまう場合もある」と発言。続けて、次のように述べた。

「それにしても、韓国人と中国人との違いは何だ? 両方とも目が細い。どちらでも違いはないだろう?」

「トルコの若者たちは、中国で起きている圧政を非常に気にしている。彼ら(デモ参加者)は自分たちの民主的な権利を行使できるはずだ」

 この発言に、マイクロブログのツイッター(Twitter)では批判が殺到。一部のユーザーは、バフチェリ党首を人種差別主義者で人種的憎悪をあおっていると非難し、「目が細かったら誰かを殴ってもいいというのか」などと投稿した。

 韓国人旅行客を襲撃したのは、MHP下部組織の極右団体「灰色の狼(Grey Wolves)」のメンバーとみられている。

 イスラム教国のトルコは言語や宗教上ウイグル人とのつながりが強く、国内でも複数のウイグル人団体が活動している。(c)AFP