【7月2日 AFP】女子サッカーW杯カナダ大会(FIFA Women's World Cup 2015)準決勝で、連覇を目指す日本は2-1でイングランドに勝利し、決勝進出を果たした。――しかし、日本のファンはこの結果を喜びつつも、試合終了間際にオウンゴールを献上してしまったイングランド代表DFローラ・バセット(Laura Bassett)を思い、涙を流した。

 試合は1-1のまま延長戦に突入するかのようにみえた後半ロスタイム2分、川澄奈穂美 (Nahomi Kawasumi)のクロスがインターセプトに入ったバセットに当たって自軍ゴール方向に飛ぶと、ボールは無情にもクロスバーに当たってゴールラインを割った。

 2日に東京のスポーツバーで試合を観戦していたファンの一人は、「最高の勝ち方ではなかったけれど、選手は諦めなかった。ラッキーなゴールですけど、勝ちは勝ちです」と語った。

 この結果、5日にバンクーバー(Vancouver)で行われる決勝は、2011年大会決勝と同じ日本と米国の顔合わせになった。4年前の決勝では、下馬評で不利だった日本が、PK戦の末に米国を破っている。

 一方、バセットは試合終了のホイッスルと同時に号泣し、マーク・サンプソン(Mark Sampson)監督らになぐさめられながらピッチを後にした。

 この場面について、同じスポーツバーで観戦した別の女性ファンは、「オウンゴールをしてしまったイングランドの選手がすごくかわいそうで、私も泣いてます」と話し、悲しみが入り交った勝利だったと明かした。

 バセットに対する共感のコメントは、ソーシャルメディアでも数多く寄せられ、あるツイッター(Twitter)のユーザーは、「サンプソン監督がバセットをなぐさめる場面でもらい泣き。なでしこが勝ったのはうれしいけれど、イングランドも素晴らしいチームでした」と投稿している。

 政府関係者では、菅義偉(Yoshihide Suga)官房長官が定例会見で、「2大会連続の決勝進出に心から拍手を送りたい。チームが一丸となって頑張ってきた成果」とコメントしている。(c)AFP