【7月1日 AFP】炭酸飲料などの糖入り甘味飲料を原因とする死者数は、世界で年間最大18万4000人に上るとの研究結果が、6月29日の米医学誌「サーキュレーション(Circulation)」に掲載された。

 糖分の多い飲み物の摂取に関連する、糖尿病、循環器系疾患、がんによる世界の死亡リスクを分析した初めての研究になるという。

 研究チームの試算によると、論文中で「糖入り甘味飲料」と呼ばれているものの摂取に起因する糖尿病での世界の死者数は約13万3000人に上るという。また、循環器系疾患では同約4万5000人、がんでは同6450人と試算された。

 論文執筆者の米タフツ大学(Tufts University)のダリウシュ・モザファリアン(Dariush Mozaffarian)氏は「世界の多くの国では、単一の食事要因によって多くの死者が出ている。その要因とは糖入り甘味飲料だ」と述べ、「食事から糖入り甘味飲料を大幅に削減または排除することを、世界規模の優先事項にするべきだ」と指摘する。

 論文によると、糖分の多い飲み物に起因する死亡率はメキシコが最も高く、推定される死亡者の割合は成人100万人当たり450人に上るとされ、米国の成人100万人当たり125人がそれに続くという。

 研究チームはまた、砂糖の国内流通総量と糖尿病、循環器系疾患、がんの国内発症数とに関係性があることも突き止めた。さらに、炭酸飲料などの糖分の多い飲み物の摂取に関連する死亡例の約76%が低・中所得国にみられることも分かったという。

 世界の51か国で1980年~2010年に実施された食事に関する調査62件を分析した今回の研究では、果汁飲料は対象外とされた。(c)AFP