反「ウーバー」デモ巻き添え、コートニー・ラブが仏大統領に激怒
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【6月26日 AFP】「(イラクの)バグダッド(Baghdad)のほうが、よっぽど安全」――フランスで25日に米配車サービス「ウーバー(Uber)」に抗議するタクシー運転手らのデモが暴徒化した問題で、米ロック歌手のコートニー・ラブ(Courtney Love)さんが騒動に巻き込まれ、ネット上でフランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領に怒りをあらわにした。
米ロックバンド「ニルヴァーナ(Nirvana)」の故カート・コバーン(Kurt Cobain)氏の妻としても有名なラブさんがマイクロブログのツイッター(Twitter)に投稿した内容によると、暴徒たちは金属棒で次々と車両を強打していった。「私たちの車も襲われ、運転手が拘束された」という。
「フランソワ・オランド、あんたの国のクソ警察はいったいどこにいるの?フランス国民が外国からの訪問客を襲っても、罪にはならないってわけ?さっさと空港に帰れってのね。もうなんなの?」と、ラブさんが大統領に向けて怒りをぶちまけたツイートは、あっという間に拡散された。
ラブさんは、自分が乗っていた車の写真もツイッターに投稿したが、車掌はデモ参加者がかけたとみられる黄色いどろどろの液体で汚れている。
ラブさんは「お金を払ってオートバイに乗せてもらってその場から脱出したけれど、暴徒化したタクシー運転手たちに追いかけられ、石を投げられた。警察の前を2回通ったけど、なにもしてくれなかった」ともツイートしている。
■大統領と内相、ウーバーポップ廃止を約束
フランスでは、スマートフォン(多機能携帯電話)のアプリケーションを利用したサービス「UberPOP(ウーバーポップ)」が1月から禁止された。だが、取り締まりが行き届かず、現在も同サービスは稼働中で、客を奪われていると抗議するタクシー運転手らが25日、空港や駅までの道を封鎖。一部が暴徒化し、車に放火するなどした。
タクシー運転手とウーバーの運転手との衝突で、10人が逮捕され、警察官7人が負傷、車両70台が破壊された。
こうした状況を受け、オランド大統領は26日、「民主主義では容認できない暴力」とデモの暴徒化を非難する一方、ウーバーポップは路上から排除されるべきだと言明。タクシー運転手労働組合との協議を終えたベルナール・カズヌーブ(Bernard Cazeneuve)内相も「違法なサービスで、廃止しなければならない」と断言した。(c)AFP