【6月8日 AFP】(一部更新)韓国で中東呼吸器症候群(Middle East Respiratory SyndromeMERS)コロナウイルス(MERS-CoV)の感染が拡大している問題で8日、6人目の死者が確認された。また、新たに23人の感染が確認され、2週間前に4人だった同国のMERS感染者数は死者を含め87人となった。

 8日に死亡したのは、ソウル(Seoul)の南方140キロにある韓国中部・大田(Daejeon)で感染が確認されていた80代男性。地元当局によると、入院していた病院で8日朝に死亡した。

 韓国での感染者数はサウジアラビア以外では最多で、国民は不安を募らせている。現在、全国で約2300人が隔離されており、ソウルや周辺の京畿道(Gyeonggi province)を中心に約1900校の教育機関が休校措置をとっている。

 保健福祉省によると、新たに確認された感染者23人のうち17人は、ソウル南部のサムスンソウル病院で感染したとされる。同病院は韓国でも最大規模の病院で、患者と医療スタッフ900人あまりが監視下に置かれている。保健当局は、他にも同病院で感染した人がいるとみている。

 これまでのところ感染者は全員、医療機関の職員や患者とその家族に限られている。

 初動対応の不手際をめぐり批判されている韓国政府は7日、さらなる感染拡大を阻止するべく全力で取り組むと発表。隔離対象者が外出しないよう携帯電話を追跡調査するなどの対策を表明した。(c)AFP