【5月30日 AFP】アジア・太平洋地域の国防相らが参加するアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ、Shangri-La Dialogue)が29日、シンガポールで開幕し、リー・シェンロン(Lee Hsien Loong)首相は戦後70年になってもいまだに戦争が日中韓の関係に影を落としていると述べ、アジア諸国は地域の信頼と協調のために第2次世界大戦の過去を乗り越える必要があるとの認識を示した。

 リー首相は基調講演のなかで、日本について「一般的な意味では後悔と謝罪を表明している」と述べたうえで「慰安婦や南京虐殺の問題では立場が曖昧だ」と語った。

 また中国と韓国に対して「日本に繰り返し謝罪を求めることはやめるべきだ」と述べ、「日本を守勢に立たせるため、または未来の世代にまで憎しみを永続させる目的で戦争の歴史を利用してはならない」と述べた。

 3日間の日程で開かれているアジア安全保障会議には、日本からは中谷元(Gen Nakatani)防衛相、中国からは人民解放軍の孫建国(Sun Jianguo)副総参謀長、韓国からは韓民求(ハン・ミング、Han Min-Koo)国防相が出席する。(c)AFP