【5月11日 AFP】英陸軍軍曹の男が、スカイダイビング用のパラシュートに手を加え、1か月余り前に息子を出産したばかりの妻を殺害しようとした疑いで先週、警察に身柄を拘束され、取り調べを受けていたことが、同国メディアの11日の報道で明らかになった。上空1200メートルから落下した妻は重傷を負ったものの、奇跡的に一命をとりとめた。

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 身柄を拘束されたのは、南アフリカ出身のエミール・シラーズ(Emile Cilliers)容疑者(35)。被害者とされる妻のビクトリアさん(39)は、鎖骨や脚の骨を折った他、脊髄を損傷し、治療を受けている。

 パラシュート降下経験が豊富だったビクトリアさんは、パラシュートも非常用のキャノピー(傘)も開かなかったにもかかわらず、時速約160キロで降下していたところを時速50キロまで減速することに成功。地面へ衝突する直前、キャノピーの一部が開いた。

 現場となったイングランド(England)南西部ネザーエイボン(Netheravon)でビクトリアさんと同じパラシュート・クラブに所属するメンバーは英紙デーリー・メール(Daily Mail)に、着地したのが耕したばかりの畑だったことも幸運だったと話した。

 警察当局では、パラシュートのベルトとキャノピーをつなぐ「スリンク」と呼ばれるひもが取り外されていた理由について調べを進めている。シラーズ容疑者はその後、保釈を認められた。ビクトリアさんは自宅で回復している様子が画像で伝えられている。(c)AFP