【5月6日 AFP】スイス・ジュネーブ(Geneva)に本部を置く監視団体「国内避難民モニタリングセンター(Internal Displacement Monitoring CentreIDMC)」は6日、シリアやウクライナなどにおける紛争や衝突により自国内で避難民になった人の数が、過去最多の3800万人に達したと発表した。これは、ニューヨーク(New York)とロンドン(London)、北京(Beijing)の3都市の人口を合わせたものに匹敵する人数という。

 IDMCが発表した報告書によると、昨年1年間だけで、総数の3分の1近くに相当する1100万人が新たに国内避難民となった。平均すると1日に3万人が国内避難民になった計算で、前年比で14%の増加となった。

 昨年新たに国内避難民となったうちの60%はイラク、南スーダン、シリア、コンゴ民主共和国、ナイジェリアの人々だった。うち最も多かったのは、イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」が掌握する地域から220万人が逃れたイラクだった。

 国内避難民は、自国内で避難民となっている人々を指す。一方、国外に避難した人々は難民と呼ばれる。IDMCの報告書によると現在、国内避難民の数は難民の2倍近くに上っている。(c)AFP/Nina LARSON