【4月23日 AFP】頭髪のない頭を覆うためのかつらの購入に民間医療保険が適用されるべきだとして、76歳の男性が保険会社を相手取り起こしていた訴訟で、ドイツ連邦社会裁判所は22日、高齢男性が頭髪を失うことは保険が適用される疾患ではないとの判断を下した。

 訴えを起こした男性はドイツ西部のコントビヒ(Contwig)近郊在住で、1983年以降、頭髪やまつげ、眉毛が抜け落ちる症状に悩まされていた。当初はかつらの購入に保険が全額適用されていたが、2006年に保険会社が支払いを拒否。男性は会社を相手取り訴えを起こした。

 裁判所は、はげ頭のせいで魅力が低下したと原告の男性が感じたとしても、頭髪がないことが「外観を損なった」状態であると主張することはできないと言い渡した。

 「男性の頭髪がなくなることは、保険サービスが保健的な援助を提供するための条件である疾患や身体障害ではない」と裁判所は声明で述べ、「身体活動を妨げることはなく、外観を損なってもいない」と指摘した。

 一方で裁判所は、「若者」が頭髪を全て失った場合には「目立つ」ため、かつらへの保険適用もありうると付け加えた。

 原告は、はげ頭に「精神的に苦しんでいる」と訴え、疾患で毛髪を失った女性のかつらには保険を適用している保険会社の方針は差別的だと主張していた。(c)AFP