【4月23日 AFP】メキシコ南部タバスコ(Tabasco)州で先週盗難の被害に遭った放射性物質入りの小型容器が22日、歩道橋の下に遺棄されているのが見つかった。同国で2013年以降に起きた4度目の放射性物質盗難事件はこれにより終息した。

 金属の溶接部の検査装置に使われる放射線源「イリジウム192」が入った道具箱ほどの大きさの容器は今月13日、タバスコ州カルデナス(Cardenas)で盗まれていた。事件を受け、同国南部と東部の5州で警戒態勢が敷かれた他、連邦当局も対応に乗り出していた。

 容器が見つかったのは、同州の州都ビジャエルモサ(Villahermosa)とカルデナスを結ぶ幹線道路に架けられている歩道橋の下。当局によれば、発見者が州警察に電話で通報、その後100人規模の治安部隊が派遣された。同国原子力委員会幹部はAFPに対し、「容器が開けられた形跡はなかった」と明らかにしている。

 当局関係者らは、過去に発生した3件と同様、犯行グループの狙いは別のもので、容器の中身が放射性物質だとは知らずに盗み出したとみている。いずれの事件でも、放射性物質は回収されている。(c)AFP/Guillermo BARROS