【4月21日 AFP】中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は20日、パキスタンを公式訪問し、ナワズ・シャリフ(Nawaz Sharif)首相と会談。中国が推進する「一帯一路(陸と海のシルクロード経済圏)」構想の実現に向けて、総額460億ドル(約5兆5000億円)をパキスタンに投資する計画を発表した。

 両国は、中国の新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)のカシュガル(Kashgar)とパキスタンのアラビア海(Arabian Sea)沿岸にあるグワダル(Gwadar)港を結ぶ「中国・パキスタン経済回廊(China-Pakistan Economic CorridorCPEC)」で道路や鉄道、パイプラインなどのインフラ整備を進め、中東からの原油輸送ルートを大幅に短縮することを目指している。CPECを通じてパキスタンを地域経済のハブ(中心拠点)とし、新疆ウイグル自治区の発展につなげたい考えだ。

 CPECは「一帯一路」構想の旗艦プロジェクト。中国は同構想を通じ、中央・南アジアの貿易と交通において米国とインドをけん制しつつ、自国の影響拡大を狙っている。

 パキスタンのアッサン・イクバール(Ahsan Iqbal)計画・開発相は、インフラ整備に110億ドル(約1兆3000億円)、エネルギー関連の開発に350億ドル(4兆2000億円)を投資する方針を示した。

 中国国家主席のパキスタン訪問は9年ぶり。(c)AFP/Issam AHMED