【4月21日 AFP】サウジアラビアが主導するアラブ連合軍は20日、イエメンの反政府勢力が掌握している首都サヌア(Sanaa)にあるミサイル保管庫を空爆し、少なくとも28人が死亡、300人近くが負傷した。保管庫周辺の家屋も倒壊し、遠くの地区まで振動が伝わったという。

 小高い場所にあるこの武器庫に対する空爆は2回行われ、サヌアのファジアタン(Fajj Attan)地区上空には、煙が厚い雲になって広がった。死者数は増える恐れもある。

 この空爆により連続して爆発が発生。その衝撃は首都全域に伝わった。何台もの車が大破し、建物は破壊され、通りはがれきで覆われた。

 複数の目撃者の話によると、標的となったミサイル基地と近くのガソリンスタンドで火災が発生し、その熱は遠く離れた場所でも感じられたという。

 その後市民らが倒壊した家屋の下からはい出してくる様子が見られ、中にはスーツケースを手にしている人々もいた。戸外の損壊の規模の大きさにがくぜんとしている人の姿も見られた。

 首都の4つの病院の医師らによると、少なくとも28人の市民が死亡し、300人近くが負傷したという。

 丘の上にあるこの基地は、アリ・アブドラ・サレハ(Ali Abdullah Saleh)前大統領に対する忠誠を守っているエリート部隊の共和国防衛隊ミサイル旅団に所属。サレハ氏は、反政府の戦いを続けているイスラム教シーア派(Shiite)系武装組織フーシ派(Huthis)を支持しているとして非難されている。

 サウジアラビアが主導するイスラム教スンニ派(Sunni)アラブ諸国の連合軍は先月、フーシ派に対する空爆を開始。避難先のイエメン南部のアデン(Aden)に反政府部隊が進撃したためサウジアラビアのリヤド(Riyadh)に逃れたイエメンのアブドラボ・マンスール・ハディ(Abd-Rabbo Mansur Hadi)暫定大統領の権力の回復を目指しているとしている。(c)AFP/Jamal al-Jabiri