【4月15日 AFP】国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights WatchHRW)は14日、シリア北西部イドリブ(Idlib)県で先月、同国政府軍が民間人に化学兵器を使用した可能性が大きいとの見解を示した。

 HRWは、イドリブでの目撃証言とこれまでに収集された証拠は、シリア政府軍が民間人に対し有毒な化学物質を使った「たる爆弾」を数回にわたり使用したことを「強く」示唆するものだと発表した。HRWによると、先月のイドリブでの激しい戦闘の際、政府軍は反体制派の支配地域にヘリコプターで爆発物を入れたたる爆弾を投下した。

 一方、シリア治安当局の幹部は「被害を受けた反体制派のうそ」だとして、HRWの主張を否定した。

 HRWは、使用された化学物質を特定することはできなかったが、シリア民間防衛隊(Syrian Civil Defence)のボランティアらが攻撃があった現場でたる爆弾の残骸を発見し、犠牲者の衣服からは塩素ガスの臭いがしたと話したと述べている。(c)AFP