【4月14日 AFP】事実上の内戦状態にある中東イエメンで14日、同国唯一のガス輸出ターミナルが、武装した部族勢力に占拠された。イエメン軍によれば、ターミナル防衛の任務に当たっていた軍部隊が明け渡したという。

 情報源によれば、部族勢力は、シャブワ(Shabwa)州南部でアデン湾(Gulf of Aden)に面するバルハフ(Balhaf)港の警備を自力で行うことを決定したと主張している。同港はイエメンの液化天然ガス(LNG)を担うイエメンLNG(Yemen LNG)が操業しており、仏石油大手トタル(Total)が株式の約40%を所有している。イエメンLNGは14日、「不可抗力」によりターミナルでの操業を停止したと発表した。

 サウジアラビアへ脱出したとの報道もあるアブドラボ・マンスール・ハディ(Abd-Rabbo Mansur Hadi)暫定大統領に忠実な軍部隊を追い落とそうと、イエメン北部から進撃しているイスラム教シーア派(Shiite)系武装組織「フーシ派(Huthis)」に対し、イエメン南部の部族たちは武器を取って立ち上がっている。

 一方、フーシ派に対するサウジアラビア主導の空爆は3週間目に入った。シャブワ州では、南部勢力の戦闘員とフーシ派の間で激しい衝突が起きている。(c)AFP