【4月1日 AFP】第2次世界大戦(World War II)中にナチス・ドイツ(Nazis)の強制収容所で死亡したユダヤ人の少女、アンネ・フランク(Anne Frank)は、公式な死亡日よりも少なくとも1か月早く亡くなっていたとみられることが分かった。

 オランダ・アムステルダム(Amsterdam)にある博物館「アンネ・フランクの家(Anne Frank House)」は3月31日に声明を発表し、「新たに実施した調査の結果、アンネと姉のマルゴット(Margot Frank)は1945年2月に死亡したとみられる」と明らかにした。アンネ・フランクは、ナチスから身を隠しながら書いた日記で広く知られている。

 ドイツ北部ベルゲン・ベルゼン(Bergen-Belsen)強制収容所に収容されていた姉妹の死については当時、赤十字社(Red Cross)が3月1日から31日の間と記録しており、オランダ当局は3月31日を公式な死亡日としていた。

 新たな調査は、最初はポーランドのアウシュビッツ・ビルケナウ(Auschwitz-Birkenau)強制収容所へ、そして1944年11月にベルゲン・ベルゼンへと移送された2人の恐怖に包まれた暮らしぶりを追跡し、明らかにする目的で行われた。

 アンネとマルゴットについては強制収容所の生存者4人が、1945年1月末までに発疹チフスの症状をみせるようになっていたと証言している。オランダ国立公衆衛生環境研究所(Dutch National Institute for Public Health and the Environment)がチフスについて「患者は大抵、症状が出始めてから12日前後で死亡する」と説明していることから、博物館は「2人が3月末まで生存していた可能性は低い」と判断したという。(c)AFP