【3月30日 AFP】(一部更新)そのフライトは普段通りに始まり、コックピット内での会話もごく普通のもので、アンドレアス・ルビッツ(Andreas Lubitz)副操縦士が実行したとされる恐怖の行動の兆候は一切なかった。

 仏検察当局と独大衆紙ビルト(Bild)によると、独格安航空会社ジャーマンウイングス(Germanwings)4U9525便の飛行はこのようにして始まった。捜査当局は、同便がルビッツ副操縦士によって意図的に仏アルプス(Alps)の山腹に墜落させられたとみている。

 検察の発表とビルト紙の報道はともに、墜落現場から回収された同便のボイスレコーダー(音声記録装置)の内容に基づいている。

 同装置の解析を担当するブリス・ロバン(Brice Robin)検察官の26日の記者会見によると、同便はスペイン・バルセロナ(Barcelona)を現地時間の24日午前10時ごろ離陸。操縦士らは「最初の20分間、操縦士らが通常するように、ごく普通に丁寧な口調で話していた」という。

 ビルト紙の29日の報道によると、この会話の中で機長は、離陸前にトイレに行く時間がなかったと話し、ルビッツ副操縦士はいつでも操縦を引き継ぐと申し出た。

 同紙によると、機体は10時27分に巡航高度の1万1600メートルに到達。機長はルビッツ副操縦士に対し、着陸準備を始めるよう指示した。ルビッツ副操縦士の応答は普通だったが、「極めて短く、対話とは言えないものだった」(ロバン検察官)という。