【3月24日 AFP】メキシコ式プロレス「ルチャリブレ」の人気レスラー、ペロ・アグアヨ・ジュニア(本名:ペドロ・アグアヨ・ラミレス、Pedro Aguayo Ramirez)選手(35)が先週20日の試合中に頸部(けいぶ)を骨折し、死亡した。スター選手の悲劇的な死に、メキシコの国民的娯楽であるルチャリブレにおける安全性について議論が巻き起こっている。

 アグアヨ選手は20日夜、米国境に近いメキシコのティフアナ(Tijuana)で行われたレイ・ミステリオ・ジュニア(Rey Misterio Jr.)選手との試合で、首付近にフライングキックを受け崩れるように倒れ、ミドルロープにもたれて動かなくなった。

 救急措置を施すために試合が中断されるまで約2分かかったという。医師らはロッカールームで他の選手3人の治療に当たっていたと述べている。バハカリフォルニア (Baja California)州の検察当局によると、アグアヨ選手は病院へ搬送され、蘇生措置が試みられたが、頸部を骨折しており、21日朝に死亡した。

 AFPの取材に応じた検察当局のホセ・マヌエル・エピス(Jose Manuel Yepiz)報道官は、過失致死の疑いで捜査が行われる可能性があると述べた。レイ・ミステリオ・ジュニア選手の事情聴取が行われる見込み。

 ルチャドールと呼ばれるプロレスラーが英雄として尊敬を集め、路上ではさまざまな色の覆面を買い求めるファンたちの姿が見られるメキシコで、スター選手同士の試合で起きた悲劇に対する反響は大きい。

 アグアヨ選手は「ペロ・アグアヨの息子」というリングネーム通り、日本のプロレスでも活躍したペロ・アグアヨ選手の息子。(c)AFP/Laurent THOMET