【3月2日 AFP】このドレスの色は黒と青か、それとも白と金か?──インターネット上は現在、この疑問でもちきりだ。

 事の発端は、ブログプラットホームのタンブラー(Tumblr)に「swiked」というハンドルネームのユーザーが投稿した1枚の写真。その写真には、1着のドレスが写っており、「皆さん、助けてください。このドレスは、白と金?それとも青と黒?私と友人たちの意見が合わないんです」とのコメントが添えられていた。

 その後、インターネット上は大騒ぎとなった。

 投稿は、ツイッター(Twitter)やフェイスブック(Facebook)をはじめとするソーシャルメディアに拡散。ドレスの色について、「黒いレース付きの青」と「金のレース付きの白」のそれぞれを支持するユーザーらの熱い議論が繰り広げられた。

 さらに、セレブたちまでもが議論に参加。キム・カーダシアン(Kim Kardashian)さんはツイッターで、夫でラッパーのカニエ・ウェスト(Kanye West)さんと家庭内で熱い議論になったと明かし、「あのドレスが何色かって?白と金ね。カニエは黒と青だって。色覚障害なのはどっち?」とコメント。人気歌手のテイラー・スウィフト(Taylor Swift)さんも「このドレスについての妙な議論はいったいどういうことかしら。騙されているような気がする。混乱するし、怖い。PSあれは明らかに青と黒よ」とツイートした。

 この騒動は、科学的に説明がつくかもしれない。

 英物理学者アイザック・ニュートン(Isaac Newton)によると、色は物体そのものが持つものではない。人間は、物体の表面に反射した色を、眼底の網膜に当たる光を通して認識する。

 米ニューヨーク(New York)のマウントサイナイ眼科耳科診療所(New York Eye and Ear Infirmary of Mount Sinai)のリーナ・ガーグ(Reena Garg)助教によると、人によってドレスの見え方が違うことは、人間が色を認識する方法によって説明が可能であると指摘するとともに、露光が悪い状態で撮られた問題の写真について、携帯電話のカメラで撮影されたもののようだと語った。

 ガーグ助教はAFPに対し、「このドレスが黒と青に見えるとしたら、あなたはおそらく、この写真が過度に露光されている、つまり光が強すぎると見ている。そのため、網膜による補正で、ドレスの色が暗く見えるのだ」「白と金に見えるとしたら、恐らく、露光が不十分である、つまり光が少なすぎると見ているので、網膜による補正後にドレスの色が明るく見える」と説明した。(c)AFP