【3月1日 AFP】エジプトの裁判所は2月28日、シナイ半島(Sinai Peninsula)で治安部隊に対する攻撃に関与したイスラム過激派とつながりがあるとして、イスラム原理主義組織ハマス(Hamas)を「テロ組織」に指定した。

 裁判所は決定で「(ハマスが)エジプト領内における破壊行為に関与し、罪のない人々や文民、治安要員を死亡させたことは証明されている」と述べた。また、1月末にシナイ半島北部の数か所で少なくとも治安要員25人が死亡した攻撃に言及し、「攻撃で使用されたロケット弾はガザ地区(Gaza Strip)にのみ見られるものだった」と語った。

 裁判所は約1か月前の1月31日、ハマスの軍事部門イザディン・アルカッサム(Ezzedine al-Qassam Brigades)をテロ組織に指定したばかり。ハマスとエジプト当局の関係は、今回の決定で一段と冷え込むことになった。

 ハマスは「エジプトの評価を損なう大いに恥ずべき振る舞い」だとして、決定を非難した。

 エジプト軍は2013年、選挙で選ばれたムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)大統領を解任した。同国当局はそれ以来、シナイ半島で治安部隊を狙った一連の攻撃を実行したイスラム過激派を支援しているとしてハマスを厳しく批判。また、エジプトに隣接するパレスチナ自治区ガザ地区を実効支配しているハマスが、モルシ氏の出身母体で非合法化された「ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)」を支援していると主張している。(c)AFP/Haitham El-Tabei