【2月23日 AFP】ソマリアを拠点とする国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系イスラム過激派組織「アルシャバーブ(Shebab)」が欧米のモール襲撃を呼びかける動画をインターネット上に投稿したことを受け、米国土安全保障省のジェイ・ジョンソン(Jeh Johnson)長官は22日、米国ミネソタ(Minnesota)州にある米国最大級のショッピングモールの利用客に対し、警戒を促した。

 ジョンソン長官は米CNNテレビの番組「ステート・オブ・ザ・ユニオン(State of the Union)」で、「今日、モール・オブ・アメリカ(Mall of America)に行く予定の人は、特に注意をするべきだ」と述べた。一方である米当局者は「米国に対する特定の信ぴょう性のある脅威を示すものはない」と語っている。

 アルシャバーブはまた、カナダの巨大なウェスト・エドモントン・モール(West Edmonton Mall)、英ロンドン(London)の有名な繁華街オックスフォード・ストリート(Oxford Street)、フランス国内2か所のモール、ル・フォーロム・デ・アール(Le Forum des Halles)とレ・キャトル・タン(Les Quatre Temps)への攻撃も呼びかけた。

 アルシャバーブは2013年にケニアの首都ナイロビ(Nairobi)で発生し少なくとも67人が死亡したモール襲撃事件を起こしている。同組織は21日にツイッター(Twitter)に投稿された動画で、ケニアの事件をドキュメンタリー風に解説。その後に覆面の戦闘員が以下のように述べ、米、加、英、仏で同様のモール攻撃が実行されうることを示唆した。

「一握りのムジャヒディーン戦士がケニアを1週間近くにわたり完全停止させることができたのであれば、献身的なムジャヒディーンが欧米で世界中のアメリカやユダヤ人のショッピングセンターにどんなことができるのか、想像してみなさい」「このような攻撃が、もしミネソタのモール・オブ・アメリカで起こったら?あるいは、カナダのウェスト・エドモントン・モール、ロンドンのオックスフォード・ストリートで起こったら?」

 動画は、米民間情報機関「SITEインテリジェンス・グループ(SITE Intelligence Group)」により発見された。米国最大のショッピングモールとされ、年間4000万人が利用するモール・オブ・アメリカでは、アルシャバーブによる脅迫を受け、警備が強化されている。

 米国などでは、自国内で過激化した人が「一匹狼」攻撃を行う危険性についての不安が広がっている。ジョンソン長官は、今回の動画が「自国産」テロという新たな種類の脅威を示すものであると指摘。アルシャバーブや「イスラム国(Islamic StateIS)」といった過激派組織の支持者の疑いがある人々を注意深く監視していく必要があると述べた。(c)AFP/Chantal VALERY