【2月21日 AFP】アフリカ南部のザンビアで20日、職権乱用などの罪に問われた検察庁長官が法廷で無実を主張するとともに自らに対する訴追を拒否すると述べ、予審判事を驚かせた。

 証言台に立ったムテンボ・ヌチト(Mutembo Nchito)長官はラテン語で「訴追せず」を意味する「ノッレ・プロセーキ(nolle prosequi)」という言葉を使い、「私はザンビア共和国の検察庁長官であり、全ての起訴内容についてノッレ・プロセーキとすることを決定した」と述べた。

 検察側の訴追拒否を受けて、ラメック・ムワレ(Lameck Mwale)予審判事が来月2日、ヌチト長官が自分自身を起訴することの当否を判断する。

 ヌチト長官は先週、2008~13年に関与したとされる職権乱用や法廷侮辱罪、不正な借入契約など9つの容疑で一時身柄を拘束されたものの、上級裁判所が逮捕状の取り消しを決定し、法的手続きは終了した。しかし、長官を告発していたニュートン・ヌグニ(Newton Ng'uni)元財務相が不服を申し立て、今週に入って長官に新たな召喚状が送達されていた。

 長官はルピヤ・バンダ(Rupiah Banda)元大統領が関与したとされる事件など、注目を集める複数の汚職事件の公訴も提起している。(c)AFP