【2月16日 AFP】破天荒な言動で知られる英ロンドン(London)のボリス・ジョンソン(Boris Johnson)市長が、「英国への忠誠」を示すため米国籍を放棄する意向だと、15日の英紙サンデー・タイムズ(Sunday Times)が報じた。

 1964年に米ニューヨーク(New York)に生まれたジョンソン市長は、英国と米国の旅券(パスポート)を保持している。

 市長は最近、ロンドン北部の自宅を売却して得た利益に対するキャピタルゲイン(資本利得)税を米政府に納めたが、その際「言語道断だ」と課税に怒りを表明していた。米政府は、海外在住者を含む全米国市民に納税を義務付けている。

 しかし、ジョンソン市長はサンデー・タイムズとのインタビューで、米国籍の放棄は英国への愛国心に基づくものだと説明。米国のパスポートを持っているのは「生まれ合わせ上の成り行き」にすぎないと述べた。一方、国籍放棄の手続きは簡単ではないだろうと認め、マシュー・バーズン(Matthew Barzun)駐英米大使と相談して「解決方法を探る」必要があるとも語った。

 ジョンソン市長は来る5月の総選挙で国政への復帰を目指しており、将来は英首相の座を狙っているといわれている。しかし憲法学者らは、首相を志す場合には二重国籍によって、乗り越えられないものではないもののさまざまな困難が生じるだろうと指摘していた。

 前週訪米したジョンソン市長は、英首相の座への野望はないと語っている。(c)AFP